地震の縦揺れと横揺れはどう違う? 住宅を守るための対処法もご紹介

ハテナが浮かぶ男性

 

地震の揺れには、「縦揺れ」と「横揺れ」があります。「横揺れよりも縦揺れのほうが怖い」と言われることが多いのですが、決して横揺れだから安心というわけではありません。

この記事では、地震の縦揺れと横揺れがどのように違うのか、それぞれの揺れ方にはどんな特徴や危険が潜んでいるのかを解説します。また、強い地震から住宅や家族を守るための対処法もお伝えするので、ぜひ参考になさってください。

 

縦揺れと横揺れでは揺れ方がどう違うのか

スマホに表示される地震速報

 

地震の揺れ方には縦揺れと横揺れがあります。まずはそれぞれの揺れ方の特徴や、過去に発生した地震の例を見ていきましょう。

 

<縦揺れと横揺れでは揺れ方がどう違うのか>

  • 「縦揺れ」は垂直方向の揺れ
  • 「横揺れ」は水平方向の揺れ

 

「縦揺れ」は垂直方向の揺れ

縦揺れは、地面に対して垂直方向に揺れます。上下に動く感覚が特徴的で、強い縦揺れの場合は地面から浮かび上がるような感覚を覚えることもあります。

地震はいくつかの種類に分類されますが、その中でも「直下型地震」は強烈な縦揺れが特徴だと言われています。1995年に発生した阪神淡路大地震は直下型地震として分類されており、首都圏において今後30年の間に70%の確率で発生するとされるのも「首都直下地震」です。

 

「横揺れ」は水平方向の揺れ

横揺れは地面に対して水平方向に動き、前後左右への揺れを感じます。一般的には縦揺れの後に起こりますが、地震が発生した場所や地盤の強弱などによっては、縦揺れが起こらず、横揺れだけが発生することも珍しくありません。

海溝でプレートのひずみが開放されたときに発生する「海溝型地震」は、ゆっくり長く横揺れが続くのが特徴です。津波の被害が起こりやすいことでも知られています。2011年に発生した「東日本大震災」も、海溝型地震のひとつです。

 

地震の縦揺れ・横揺れそれぞれの被害の特徴

耐震構造

 

地震の縦揺れと横揺れで、それぞれがもたらす被害の特徴も異なります。どちらも警戒すべき揺れであることには変わりありませんが、縦揺れと横揺れで何がどのように違うのかを確認しておきましょう。

 

<地震の縦揺れ・横揺れそれぞれの被害の特徴>

  • 縦揺れは恐怖を感じるほどの揺れが特徴的
  • 横揺れは建物の倒壊を引き起こす可能性もある

 

縦揺れは恐怖を感じるほどの揺れが特徴的

地震発生時、縦揺れのドンと突き上げるような衝撃に恐怖を感じる人は多く、場合によってはパニックに陥る人もいることでしょう。上下の激しい揺れにより、住宅の土台から柱が外れるといった建物への大きな被害も予想されます。

また、強い縦揺れの場合、家具や大型家電が床から浮き上がることもあります。食器棚が浮かび上がった場合、収納している食器が破損する可能性も高いため、地震後の掃除には細心の注意が必要です。

 

横揺れは建物の倒壊を引き起こす可能性もある

地震の横揺れによる被害として多いのが建物の倒壊です。建物の柱は横の力に弱いため、耐震性が低下していると倒壊リスクが高まります。また、先に発生した縦揺れでダメージを受けた直後に横揺れが加わると、倒壊するリスクはさらに高くなります。

家具や家電が大きく動いたり、転倒したりする可能性も高いでしょう。震度6弱以上の地震では、人間が物につかまらずに立っていることが困難になるため、転倒して負傷する可能性もあります。

 

地震の縦揺れ・横揺れから住宅を守るための対処法

つぶれた家はてなマーク

 

地震の縦揺れ・横揺れはどちらも恐ろしく、建物に甚大なダメージを与え、そこに住む人の命を奪う危険性もあります。地震はいつ、どこで発生するかわかりません。地震の縦揺れ・横揺れから住宅と家族の命を守るために、以下の対処法を取り入れましょう。

 

<地震の縦揺れ・横揺れから住宅を守るための対処法>

  • 耐震診断で建物の状態を確認する
  • 耐震補強工事を依頼する
  • 制震システムを導入する
  • 家具や家電の転倒防止対策を行う

 

耐震診断で建物の状態を確認する

新築時に地震対策を施していても、建物の経年劣化により耐震性能は低下してしまいます。現在の住宅が強い縦揺れ・横揺れに対応できるのかを知るために、リフォーム会社などに耐震診断を依頼しましょう。耐震性能が不足していると判断された場合は、この後ご紹介する「耐震補強工事」を行うことをおすすめします。

 

耐震補強工事を依頼する

耐震補強工事とは、強い壁を増やしたり、柱や土台などの接合部分を金具で補強したり、水漏れやシロアリの被害で腐食した木材・金属を交換したりする工事です。耐震補強工事で耐震性を向上させると、建て替えなどをせずに、建物の安全性を向上させられます。

 

制震システムを導入する

制震とは、地震のエネルギーを吸収する装置を建物に組み込み、揺れによるダメージを軽減させる技術です。建物自体の損傷を防ぎ、倒壊のリスクを減らします。具体的には「制震ダンパー」などを使ったリフォームが効果的です。

 

制震と耐震の違い

耐震とは、建物の強度を高めて地震の力に耐える工法です。地震対策における基本であり、建築基準法では、耐震の一定の基準が定められています。しかし、あくまでも人命を守ることを重視した基準であり、家屋の損傷についてはあまり考慮されていません。そのため、もともと耐震性が高い住宅だとしても、地震を受けるたびにダメージが建物に蓄積し、耐震性能が低下してしまいます。

 

制震と免震の違い

免震とは、建物と基礎の間に地震の揺れを受け流す装置を設置して、建物に地震の揺れが伝わらないようにする工法です。建物が地面に対して完全に密着していないため、揺れによるダメージを緩和できます。ただし、台風などの強風で揺れを感じたり、施工に高額なコストがかかったりする点はデメリットです。

 

家具や家電の転倒防止対策を行う

とくに強い横揺れが発生した場合は、家具や大型家電が転倒する可能性が高くなります。これが原因で頭を打ったり、ガラス片を踏んだりといった2次被害が起こるリスクがあるため要注意です。転倒防止粘着マットや、家具転倒防止伸縮棒などを使い、転倒防止対策を行いましょう。

 

まとめ

地震の揺れには縦揺れと横揺れがあり、強い恐怖を覚えやすいのは縦揺れですが、建物の倒壊を招きやすいのは横揺れです。それぞれに異なる特徴があるため、縦揺れ・横揺れ両方の被害を軽減させるためには、定期的な耐震診断と、必要に応じて耐震補強工事を行うことをおすすめします。

東京都町田市のアーバンリフォームでは、きたる地震に備えるべく、丁寧かつ正確な耐震診断と最適な耐震補強工事を行っています。所定の予算内で限られた範囲だけを補強する「減災」のご提案も可能です。まずはお気軽にご希望やご予算をお聞かせください。

 

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