キッチンをリフォームするときに決めることのひとつが「高さ」です。キッチンは、人によっては1日数時間を過ごす場所なので、キッチンを快適に利用できるかどうかは暮らしの豊かさに大きく関わります。その人にとってベストなキッチンの高さは、身長などの条件により異なるため、まずは自分にとって最適な高さを知ることが大切です。
この記事では、理想的なキッチンの高さについて詳しく解説します。さらに、キッチンの高さの決め方や、高さを最適にするメリットなどもご紹介します。リフォームを依頼する前に知っておきたい注意点も交えながら解説するので、ぜひ参考になさってください。
キッチンの理想的な高さの決め方とは
システムキッチンの場合、標準的な高さは85cmに設定されています。しかし、人によって身長が異なるため、使いやすさにこだわる場合は、より最適な高さに設定しなければなりません。理想的なキッチンの高さを決めるポイントは2つです。
<キッチンの理想的な高さの決め方>
- キッチンの高さは身長に合わせるのが基本
- 調理をする人は肘の高さも加味する
キッチンの高さは身長に合わせるのが基本
キッチンの高さを決めるときに、もっとも重視すべきなのが身長です。身長に対してキッチンの高さが低すぎると、常に前のめりの格好になるため、腰痛になったり、肩こりになったりする可能性があります。逆に高すぎると、作業がしにくいです。とくに包丁を使うときは力が入りにくく、ケガにつながるリスクもあります。
身長から逆算して理想的なキッチンの高さを決めるときは、以下の計算式を用いましょう。
<理想的なキッチンの高さを求める計算式>
- 身長÷2+5cm
日本工業規格(JIS)では、システムキッチンの高さを80cm~95cmまで5cm間隔で設定しています。この基準をもとにして、身長ごとの最適なキッチンの高さは次のとおりです。
【身長別に見たキッチンの理想的な高さ】
身長 | キッチンの高さ |
---|---|
150cm~155cm | 80cm |
155cm~160cm | 85cm |
160cm~165cm | 90cm |
170cm~ | 95cm |
調理をする人は肘の高さも加味する
調理をする人の肘の高さもポイントになります。もっとも使いやすいのは、ワークトップが肘から10cm~15cmほど下の位置にあるときです。
肘は、手を回す、物を持ち上げるなど、腕を動かす働きをしています。このため、ワークトップに対して肘の高さが合わないと、疲れやすくなったり、ケガをしやすくなったりします。同じ身長でも、腕の長さは人によって異なるため、キッチンの高さを選ぶときには、肘の高さもチェックしましょう。
キッチン本体以外で注目すべき高さ
キッチン本体の高さのほか、以下の高さにも注目しましょう。
<キッチン本体以外で注目すべき高さ>
- 水栓の高さ
- 取手の高さ
- 吊り戸棚の高さ
- レンジフードの高さ
水栓の高さが合わないと、水が飛び散って掃除の手間がかかります。楽な姿勢で取手やレンジフードに触れられるかどうか、吊り戸棚に手が届くかどうかも確認しておきましょう。
キッチンの高さを最適化するメリット
キッチンの高さを、使う人に合わせて最適化するメリットは次の3つです。家事を快適に行うためには、キッチンの高さが合っていることはとても重要です。高さが合わない場合は、リフォームを検討してみてください。
<キッチンの高さを最適化するメリット>
- 腰痛や肩こりになりにくくなる・悪化しにくくなる
- 料理がしやすくなる
- 水がはねにくくなりお掃除の手間を省ける
腰痛や肩こりになりにくくなる・悪化しにくくなる
キッチンが低すぎる場合は、腰痛や肩こりになる可能性があります。キッチンの高さに合わせて腰をかがめなければならず、長時間の作業になるほど、腰や肩に負担がかかります。すでに腰や肩を痛めている場合は、悪化する恐れもあります。
たとえ今は健康でも、無理な体勢で毎日を過ごしている間に、負担は蓄積していきます。健康な体を維持するためにも、キッチンは使いやすい高さに合わせましょう。
料理がしやすくなる
最適な高さのキッチンは、包丁やフライパンなどの道具が扱いやすいため、料理がしやすいです。反対に無理な体勢で料理を続けていると、包丁で指を切ったり、フライパンでやけどをしたりするリスクが高くなります。
水がはねにくくなりお掃除の手間を省ける
水栓からシンクまでの間が離れていると、蛇口から水を出したときに水がはねやすいです。洋服やエプロンが濡れてしまったり、水が床にまで飛び散ったりする可能性もあるでしょう。キッチンの高さが水栓とも合っていれば、水はねを抑えられるため、お掃除の手間も省けるのです。
キッチンの高さをリフォームで変えるときの注意点
キッチンの高さをリフォームで変えるときは、以下の3点に注意しましょう。このポイントを意識しつつキッチンの高さを決めると、リフォームに失敗しないでしょう。
<キッチンの高さをリフォームで変えるときの注意点>
- スリッパの高さも計算に加える
- 家族で暮らしている場合はキッチンを使う頻度が高いほうの人の身長に合わせる
- 複数人で併用する場合は背が高い人の高さに合わせる
スリッパの高さも計算に加える
キッチンに立つときに底の厚いスリッパを履く場合は、スリッパの高さも身長に加えます。理想的な高さに誤差が生じ、キッチンを使いづらくなる恐れがあるためです。ショールームでキッチンを見学するときも、できるだけスリッパを持参して、靴からスリッパに履き替えて高さを確認することをおすすめします。
家族で暮らしている場合はキッチンを使う頻度が高いほうの人の身長に合わせる
夫婦や親子で身長差がある場合は、キッチンの高さをどちらか1人にとって理想的な高さに合わせなければなりません。このときに優先すべきなのは、キッチンを使う頻度が高いほうの人の身長です。仮に夫の身長に合わせてキッチンの高さを決めたとしても、夫がほとんど料理をしなければ意味がありません。
複数人で併用する場合は背が高い人の高さに合わせる
家族間で身長差があり、なおかつキッチンに立つ頻度が同じ場合は、より背の高い人に合わせた高さを選ぶのが基本です。
キッチンが高すぎる場合は、踏み台を使うなどして調整できます。しかしキッチンが低すぎる場合は、前かがみになることしかできません。腰や肩に負担がかかる体勢で調理や洗い物をしなければならないため、迷ったときは、やや高めのキッチンを選ぶことをおすすめします。
まとめ
キッチンの理想的な高さは「身長÷2+5cm」で計算できます。さらに肘の高さなどを加味すると、より快適で使いやすいキッチンへのリフォームが可能です。家族間に身長差がある場合は、キッチンを使う頻度が高い人に合わせて高さを決めましょう。
アーバンリフォームは、キッチンだけでなく水栓や収納の高さなども加味し、お客様にとってもっとも使いやすい高さのキッチンをご提案します。今よりももっと使いやすいキッチンに改良したいとお考えの方は、ぜひ当社にご相談ください。