浴室換気暖房乾燥機(以下、バス乾)には、カビの発生を予防できるなどのメリットがあります。近年こそ標準的な設備として住宅に設置されていますが、バス乾が設置されていない住宅は依然として多く、後付けを希望する方も多いです。
しかし、バス乾は後付けできるケースと、後付けできないケースがあるため注意しましょう。この記事では、現状のままバス乾を後付けできるのか、ケースごとに解説します。さらに、バス乾を設置するメリット・注意点、後付け工事にかかる費用相場も解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
浴室換気暖房乾燥機(バス乾)を後付けできる?工事費用の目安は?
バス乾を後付けできるかどうかは、浴室の状態によって決まります。
そのままの状態で後付けできない場合は、大規模なリフォームにより後付けが可能になるケースもあるため、リフォーム会社に確認しましょう。詳しくは、この後の項目で解説します。
なお、バス乾の後付けにかかる工事費用は、バス乾の本体価格+工事費で決まります。
【バス乾の後付けにかかる費用相場】
本体価格の相場 | 10万円~15万円 |
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標準的な工事費用の相場 | 5万円前後 |
合計金額の目安は、15万円~20万円前後です。
バス乾を後付けできるケース
以下に該当する場合は、現在のお風呂に後付けできる可能性が高いです。
- (ユニットバスの場合)天井換気扇がある
- (在来浴室の場合)壁に設置するスペースがある
- 浴室換気扇が設置されている
バス乾を後付けできないケース
以下に該当する場合、そのままの状態ではバス乾を後付けできません。
ユニットバスの場合
- 天井換気扇がない
- 分電盤から専用回路を持ってくることができない
在来浴室の場合
- 基本的に天井の取り付けは不可
- 外壁に面した壁に取り付けできるスペースがない
浴室換気暖房乾燥機(バス乾)を後付けで設置する4つのメリット
そもそも、バス乾を後付けすべきかどうかで悩んでいる方もいるかもしれません。設置するメリットは、以下の4点です。
- カビの発生や増殖を抑えられる
- 浴室で衣類乾燥ができる
- 冬でも浴室が暖かくなりヒートショックを予防できる
- ミストサウナを利用できる商品もある
順番に詳しく解説します。
カビの発生や増殖を抑えられる
浴室は湿気が多くカビが発生・増殖しやすい場所ですが、バス乾を使うことによって、カビを抑えられることがメリットです。浴室換気扇でも除湿はできますが、湿度が下がるまでに時間がかかります。バス乾なら、浴室全体を温めながら換気できるため、カビの発生を予防しやすくなるのです。
浴室で衣類乾燥ができる
浴室を使って、衣類乾燥ができるようになります。洗濯物を庭やベランダで干しにくい女性の方や、部屋干しを避けて衣類を乾燥させたい方にとって、バス乾があると便利です。また、洗濯乾燥機を使用する場合と比較して、衣類がシワになりにくいこともバス乾のメリットといえます。
冬でも浴室が暖かくなりヒートショックを予防できる
入浴前に浴室を暖められるため、真冬でもより快適に入浴を楽しめるようになります。また、気温の変化によって急激に血圧が変わる「ヒートショック」を予防しやすいこともメリットです。ヒートショックは命にかかわる問題でもあるため、とくに高齢者の方にとっては対策が必須といえます。
ミストサウナを利用できる商品もある
多機能なバス乾の場合、ミストサウナなどの機能も利用できます。本格的なサウナと比較すると温度が低いものの、体の負担が少なく、お肌への刺激を抑えられることがミストサウナのメリットです。入浴時間をより豊かに楽しめるようになる点も、バス乾を後付けするメリットといえるでしょう。
浴室換気暖房乾燥機(バス乾)を後付けする方法
バス乾を後付けする方法は、大きく分けて2つです。それぞれ設置する場所や特徴が異なります。
- 天井に取り付ける方法
- 壁にかける方法
どの方法がご自宅に適しているのかを確認しておきましょう。
天井に取り付ける方法
ユニットバスの場合、天井に取り付ける方法を選ぶことが一般的です。省スペースで設置でき、工事費用も高額になりません。ただし、分電盤からの電気工事が必要です。
壁にかける方法
壁に設けられている換気口を利用して、バス乾を設置する方法です。主に在来工法の浴室で選ばれます。分電盤からの電気工事が必要です。
浴室換気暖房乾燥機(バス乾)を後付けする際の注意点
バス乾には便利な機能が多く、既存の浴室に後付けできる可能性も高いです。ただし、バス乾の後付けには、以下3つの注意点があります。
- バス乾を使うたびに光熱費がかかる
- 定期的なお手入れが必要になる
- 分電盤が埋まっていると追加工事が必要になる
すべて確認したうえで、バス乾を後付けすべきか検討しましょう。
バス乾を使うたびに光熱費がかかる
バス乾は、電気やガスの力で稼働します。乾燥・換気・暖房といった機能を使うたびに、光熱費がかかることには注意しましょう。お湯をすぐに流して湿気をこもりにくくする、洗濯物はある程度部屋干しをしてからバス乾にかけるなどの対策をすると、光熱費を削減できます。
定期的なお手入れが必要になる
バス乾を使用する場合、定期的なお手入れが必要です。洗濯物を干す場合、湿気を吸収する際に糸くずなども一緒に吸い込んでしまうため、これを取り除くためのフィルター掃除が必要になります。お手入れの頻度の目安は、1ヶ月に1回程度です。
分電盤が埋まっていると追加工事が必用になる
バス乾には専用回路が必要で、電源は既存の分電盤を利用します。すでに分電盤が埋まっている場合、追加工事が必要になるため注意しましょう。分電盤の右端に分岐ブレーカーが残っている場合は、追加工事が不要です。
まとめ
浴室換気暖房乾燥機(バス乾)は多くのケースで後付けが可能です。
設置により、カビの発生を抑えたり、衣類を乾燥させたり、ヒートショックを予防したりといった効果が期待できます。
またバス乾の熱源としては、電気とガスがあります。費用の面でいえば、電気はイニシャルコストが安い一方でランニングコストが高めです。
反対に、ガスはイニシャルコストが高い一方でランニングコストが安めです。
バス乾の後付け工事は、アーバンリフォームにご依頼ください。東京都町田市を中心に、多くのご家庭で浴室リフォームを手掛けてまいりました。
浴室の状況を確認し、予算内かつもっとも美しい状態で後付け工事ができるよう、検討を重ねたうえで工事内容をご提案いたします。