「家が揺れたので地震かと思って調べたら、実際は地震など起きていなかった」という経験をお持ちではないでしょうか。住宅の状態によっては、そのような現象に悩まされ、住宅の安全性に不安を抱えてしまうことがあります。
この記事では、地震でもないのに家が揺れる理由や、その原因を詳しく解説します。有効な対処法も併せてお伝えするので、ご自宅の耐震性を高めたい方はぜひご一読ください。
地震でもないのに家が揺れる理由とは
地震でもないのに家が揺れる理由は、大きく4つです。以下のとおり、住宅そのものに問題がある場合と、特定の家具などに問題がある場合に分かれます。
<地震でもないのに家が揺れる理由>
- 台風や強風の影響を受けている
- 隣接する道路をトラックなどの大型車が通過した
- 特定の家具に問題がある
- 住宅に何らかのトラブルが生じている
上記4つの理由について、より詳しく解説します。
台風や強風の影響を受けている
住宅が台風などによる強風を受けたことが理由で、揺れを感じるケースです。木造住宅などの場合、耐震基準を満たしていたとしても、揺れを感じる場合があります。ただし、風速5メートル以下など、ごく一般的な風の強さでも揺れを感じる場合は、注意しなければなりません。
隣接する道路をトラックなどの大型車が通過した
住宅の近くにある道路や高速道路を、トラックなどの大型車が通過した際、地面の振動に合わせて住宅が揺れる可能性があります。新幹線など、高速で通過する電車が通る線路が近くにある場合も、瞬間的に発生する風の影響を受けて住宅が揺れる場合があります。
特定の家具に問題がある
特定のベッドや椅子を使っているときにだけ揺れを感じる場合は、家具に問題があるかもしれません。この問題は、家具の修理や交換により改善できます。めずらしいケースではありますが、念のため家具の状態を確認してもよいでしょう。
住宅に何らかのトラブルが生じている
住宅の一部に劣化や破損が生じている場合や地盤が弱い場合など、住宅に何らかのトラブルが生じている場合も、地震でもないのに家が揺れる可能性があります。具体的なトラブル例については、次の項目で詳しくご紹介します。
地震でもないのに家が揺れる原因
地震でもないのに家が揺れる理由が、住宅そのものに生じているトラブルにある場合、その原因として考えられるのは次の5つです。
<地震でもないのに家が揺れる原因>
- 構造部が劣化している
- 過去の地震により接合部が破損している
- 3階建て以上など階数が高い
- 欠陥工事・手抜き工事で建築されてしまった
それぞれを詳しく解説します。
構造部が劣化している
構造部の劣化が原因で建物が傷み、些細な振動が原因で揺れにつながっている可能性があります。とくに多いケースは次の2点です。
<構造部の劣化をまねく主な原因>
- 湧き水や水漏れなどが原因で構造部の木材が腐食している
- 構造部の木材がシロアリの被害に遭っている
湧き水や水漏れにより木材が湿っていると、木材腐朽菌が繁殖して木材が腐食し、建物の耐震性が劣化します。シロアリ被害に遭っている場合も同様で、木材が空洞化することにより耐震性が低下するため、要注意です。
過去の地震により接合部が破損している
過去に経験した大きな地震により、接合部が破損した可能性があります。木造住宅の場合、柱や梁が合わさる接合部の強度が重要です。破損した接合部を修繕せずに放置していると、強風や周囲の振動など些細な事象により、地震でもないのに家が揺れる場合があります。
3階建て以上など階数が高い
3階建て以上など階数が高い木造住宅も、地震でもないのに家が揺れる可能性が高い住宅です。建物は高くなればなるほど、先端部分の揺れが大きくなる傾向にあります。日常的に揺れを感じる場合は、耐震性能を高めるなどの対策が必要になります。
欠陥工事・手抜き工事で建築されてしまった
ここまでにご紹介したケースに当てはまらない場合は、欠陥工事・手抜き工事といった施工不良の可能性を考えなければなりません。単純な工事のミスだけではなく、十分な耐久性を確保するための外壁が備えられていない可能性や、筋交いや金物が正しく設置されていない可能性などが考えられます。
地震でもないのに家が揺れる場合の対処法
地震でもないのに家が揺れる原因は、さまざまです。まずは、耐震診断で建物の状態を確認し、必要に応じた対処を行いましょう。
<地震でもないのに家が揺れる場合の対処法>
- 耐震診断で建物の状態を確認する
- 耐震補強工事を行う
- 制振装置・免振装置を設置する
工事の内容などを順番に詳しく解説します。
耐震診断で建物の状態を確認する
地震でもないのに家が揺れる場合など、建物の耐震性に疑問を感じた場合は、まず耐震診断を受診しましょう。耐震診断では、建物の内外を専門家が調査し、耐震性に問題があるかどうかを判断します。診断結果は4段階で示され、評価が1.0を下回った場合は耐震改修が必要です。
耐震補強工事を行う
耐震性能に問題がある場合は、耐震補強工事で住宅を改修しましょう。耐震補強工事では、破損した木材などの交換や筋交いの補強、壁の補強などを通じて耐震性能を高められます。これにより、地震でもないのに家が揺れるといった現象を抑えやすくなるほか、災害時に倒壊・崩壊しにくい住宅に改善することが可能です。
制振装置・免振装置を設置する
耐震補強工事の必要がなく、なおかつ地震でもないのに家が揺れる場合は、制振装置・免振装置の設置が有効です。地盤に問題を抱えている場合も、耐震・免振装置を設置すると揺れを改善できる可能性があるため、対策を検討するとよいでしょう。
まとめ
地震でもないのに家が揺れる原因は、住宅そのものに何らかの異常が生じているか、特定の家具に問題があるかのいずれかです。揺れを抑える対策を施したい場合は、まず耐震診断を受診して原因を特定し、必要に応じて耐震補強工事を依頼しましょう。
アーバンリフォームでは、国土交通省住宅局監修の「木造住宅の耐震診断と補強方法」に準拠した耐震診断を行います。ご予算に応じた耐震補強工事も承っているため、地震でもないのに家が揺れる場合はご相談ください。